青には青の、理由がある。


例えば、いつもの1杯のコーヒー。
あの人にもらったとっておきのカップで飲んでみると、いつもの香りがより際立ってくるように思えてきませんか。
窓辺のひだまりのもとで飲んでみるとどうでしょう。
時間が止まったかのように、コーヒーの余韻がゆっくりと身体にしみわたっていく気分になれるものです。

あるいは、ひとつの林檎。
林檎なんてどこで買ってもほとんど同じじゃないか、と言う人もいるかもしれません。
だけど、わざわざ隣町まで足を運び、笑顔の店主がいる小さな八百屋さんを選んで買う人だっているはずです。そうして買った林檎のほうが、きっと瑞々しくて甘く、食べるとほっこりとうれしい気持ちになれるような気がしませんか。

くつろぐこと、食べること、買うこと、出かけること。日常にあふれるたくさんの営み。
私たちはその中でいつも何かの選択をして生きています。
そして、人それぞれ、そこには選ぶ基準や理由があるはず。なぜなら良い選択をすることで、より幸せな気持ちに近づけるからではないのでしょうか。

たくさんのもの、ことがあふれるこの世界で、ひとつひとつのすべての営みを大切に考え、迷いながらも丁寧に、自分にとって気持ちのいいほうを選んでいく。
そういう人に選ばれる存在になりたいと思うのです。

青には青の、理由がある。